バルブ基礎知識
Basics
1. LPガス容器用バルブの基礎知識
用途や目的に応じて、さまざまな特長を備えたタイプが開発されているバルブ類。こちらのページでは、一般の方も知っておくとためになるバルブの基礎知識について、易しく解説します。
1-1. LPガス容器用バルブとは
当社のメイン商品であり、特に多く流通しているLPガス容器用バルブについて説明致します。溶接容器に取り付けて、LPガスの充てんとガス状のLPガスを取り出す目的で使用される機器の事を言います。またLPガス容器用バルブは、「高圧ガス保安法」の適用を受け、容器の附属品という位置づけで規定されており、高圧ガス保安法に準拠した「附属品検査」に合格したもの、若しくは登録工場において型式承認を受けた附属品でなければ譲渡や引き渡してはならないと規定されています。
現在、国内で流通しているものは附属品検査合格品が主となっています。
1-2. LPガス容器用バルブの歴史
わが国で金属製のバルブが製造されはじめたのは明治に入ってからで、横浜市が1885(明治18)年に水道事業を開始、続いて東京ガスの事業化などにより、バルブ製造工場が作られるようになりました。大正の初期までは、水道・ガス・紡績用の青銅弁が需要の中心でしたが、第一次大戦後、わが国の産業が急速に発展するとともに、バルブも鋳鉄・鋳鋼製などと品種を広げ、その役割も高まってきました。
当社のLPガス用バルブ販売は昭和25年9月に遡ります。その後昭和30年3月にO-リング式のバルブに切り替えました。当初ケレップのO-リングは1本(シングル)でしたが、バルブの安全機能向上と製品の差別化を図る目的で平成5年4月O-リングを2本(ダブル)にしました。
1-3. バルク貯槽用バルブについて
平成10年より日本の労働人口の減少や労働環境の変化に対応するべくバルク貯槽が普及し始めました。その後バルク貯槽の生産数は、平成16年に32,000基の生産数まで右肩上がりに増え、現在では年間約10,000基程度の安定生産数量で推移しています。
平成11年に当社もバルク貯槽用バルブの納入を始めました。
1-4. LPガス容器用バルブの構造
一般的なLPガス容器用バルブは、O-リング式で、ばね式安全弁(スプリング式安全弁)が組み込まれており、主要部分として、ボディ、ケレップシート、パッキン、O-リングで構成されています。
容器バルブの構造は、バルブ本体(ボディ)と樹脂性の弁体(ケレップシート)によってガスが遮断される仕組みになっています。
1-5. LPガス容器用バルブの分類
LPガス用バルブは次のように分類されています。
①LPガス容器用バルブ(2Kg以上50Kg以下)
②LPガス小型容器用バルブ(2Kg未満)
③大型容器用バルブ(500Kg)
④ベーパー容器用液取出バルブ
⑤バルク貯槽用バルブ
⑥LPガス自動車容器用バルブ(※次項に詳述)