バルブ基礎知識
Basics
2. LPガス自動車バルブの基礎知識
2-1. LPガス自動車用バルブとは
LPガス自動車に積まれているLPガス容器に、装着されているバルブです。LPガス容器は車のトランクの中に収納される場合や、フォークリフトのようにむき出しになっているものもあります。
バルブの種類としては、
①LPガスを充てんするためのバルブ
②LPガスを取出すためのバルブ
③容器内の圧力が異常に上昇した際に自動的に圧力を放出させ内部圧力の降下するための安全弁
があります。
※③の安全弁は単体ではなく、①の充てん弁と一緒についているケースが多いようです。
2-2. LPガス自動車用バルブの歴史
日本で最初にLPガス自動車が登場したのは、1940年(昭和15年)頃で、日中戦争によって不足していたガソリンに代わる自動車用燃料として、プロパンおよびメタンに注目が集まったことがきっかけでした。第二次世界大戦後の1962年(昭和37年)、ガソリンに対して割安な燃料費や、高オクタン価に目を付けたタクシー事業者が本格的に導入を開始しました。
そして、LPガス自動車は瞬く間にタクシー業界に広まり、この傾向がしばらく続き、タクシーの多くはLPガス自動車となりました。その流れに比例して、LPガス自動車用バルブの需要も増えていきました。
近年のLPガス自動車は、環境に良い次世代LPガス自動車やハイブリッドLPガス自動車に進化したものもあり、バルブもそれに対応できるように変化しています。
2-3. LPガス自動車バルブの分類
①充てんバルブ
LPガス容器に燃料を充てんするラインの、容器元弁として使用するバルブです。一定の決まった量を充てんすると自動的に停止します。
②取出バルブ
LPガス容器から燃料を取り出すラインの容器元弁として使用するバルブです。このバルブには過流防止の機能を持たせています。
※過流防止弁とは、配管及びバルブの破損等により、燃料のガス液の流出が異常となった場合に、流出を自動的かつ確実に防止することができる機能を有した弁です。
③安全弁
容器内の圧力が異常に上昇した際に自動的に圧力を放出させ、内部圧力の降下とともに自動的に閉じる構造の弁です。